汗臭く土臭い背中だ。しがみつきながらアオサはその褐色の肌をぴしゃぴしゃと叩いた。
色の濃い肌は赤を交えず外部からの刺激に反応しなかった。肌だけでなく持ち主すらも表情一つ変えずに歩を進める。
筋骨隆々の立派な体躯に加え、この長身。目の前に立たれた時は大きな黒い壁が移動してきたかと思った。
明るいコケのように短く刈られた髪の下に張り付いた顔面の輪郭、目鼻立ちは整っている部類に属するだろう。だがそれよりも何より印象を持っていかれるのが魔性の者のような黒目だった。
獣のようだ。とこの男のことを話す人間は少なくない。まさしくそうなのだろう。
自らの喉を潤す血肉に飢え、貪欲に光る不気味な目だ。まるで理性を宿していない。そう周囲にのたまう淑女は何より自分が正常だと信じているに違いない。
そんな気色悪い眼光を一目見ようとアオサはこの男に近寄った。
春先の陽光の中、あまりに露出過度な男がたたずんでいた。男がちろりとアオサに視線を移すと、ソワッと背面を生温かいもので撫でられたような気持ちの悪い感覚が走った。
アオサは知らずに一歩後ろに足を引いていた。それを見た男は興味を失ったようにアオサから視線をはずす。
一気に頭に血が上ったアオサは、激昂したように彼に話しかけた。
アオサは無視をされるのが虐げられることの次に嫌いだからだ。
男が意外にもまともな応答を続けられることに感嘆したが、彼の言葉は逐一虚ろなのだ。虚無感を内包した物言いに不安になる。
気が付いたらアオサは情緒不安定な子供のように泣きじゃくっていた。
自らの過去と、男の持つ雰囲気にどこか似通った部分を見出してしまったのだ。だがそんな自分の状況も理解できずにただ涙が溢れ続ける。
頬を伝う水が地面を濡らす前に、男はごく自然にその涙を拭いアオサの頭を撫でた。
涙が途中、温かいものに変わっていった。嬉しかったのだ。
道なき道を通り、森の奥へと誘われる。
背の高い木の密集した森は薄暗く、湿っぽい。時折種類の違う木を見かけるも、どこか気味の悪い紋を幹に描いている。大きな顔面が笑っているようにも見えた。
気味の悪い男に連れられた先が輪をかけて不気味な森というのは非常に似合い過ぎている。
太陽の恩恵を忘れたように天井は葉を茂らせていたが、ついに空が割れた。上空から光が差している。明るい庭が広がった先に一軒小さな家が建っていた。
男がそのまま進むのであまり細かく見えなかったが、綺麗な花々が咲き乱れていた。中でもアオサの目を引いたものが、年季の入ったオブジェだった。苔むした台座にツルがまきつき紫のつぼみをつけている、台座の上のくぼみには水が溜まりその上に、花弁の豊かな赤い花が一輪、優しく控えめな薄青い花がいくつもちりばめられ、風にそよがれては水上を遊ぶようにたゆたっている。赤い花弁の上に涙のように光る雨粒がとても綺麗だった。
それを見ただけで、アオサの心はじんわりと温かく満たされるような気がした。
男は玄関を叩かずそのまま開け行った。
「うわぁ、強盗行為だ」
中には妙齢の女性が部屋の片付けをしていた。
あっけにとられたのかしばらく、アオサと男を交互に見比べている。
「客人だ」
お前は何様だ。と口に出さずに飲み込んで、アオサは男の肩から降りた。
女性から髪の毛や服装、目つきからとにかく柔和な印象を受けた。ふんわりとした栗色の髪に甘い目じり、なぜこんな辺鄙な森の奥に暮らしているのか。とんでもない物好きか、相当なわけありなのだろう。
この男以外来客も少ないのだろう。女性は慌ててメモ束に走り書きをしている。傍から見たらかなり奇怪な行動だ。
それから差し出された紙に、アオサは内心困惑した。
女性は言葉が話せないということは理解したが。残念なことにアオサは文字が読めないのだ。
紙の上に走るやわらかい線の波にアオサはなんとなく頬をほころばせた。
ここでは誰もアオサに嘘をつく者はいないのだ。
こっちも山梨落ち梨意味なしになってしまったよぐひぃ!
というかただの朝雄サイドだよ!
いや、山梨県民に謝ってきます。
とりあえず僕とアナタの共同作業のブログネタですがこれらが比較的まとまったら本家に投稿したいですねー。でも形式どうしたらいいですかねー。な気持ちでございます。
朝雄さんは本当に交流しやすいヤツなんだなあ・・・とおもいますた。
絵茶中のネタを軽くもう一度再現したのが上のアレですね。続きでパスされたのに、遡ったのは故意ではないのです。
朝雄さんは情緒不安定。
結構本気でマジ泣きとかしちゃうんだろうなあ。
お母さんには迷惑おかけしますねえ。へへッ
そういや雀さんちの庭先ずいぶん捏造したけどいいんだろうか・・・。温室はきっと家の裏だと信じてる。
あ、忘れてた。コレ
ORPG準備GO。
申請してきました。お買い得で。
やろうかなあ。やらねばなあ。と思って、いざ。となるとごちゃごちゃ考えてしまいましたね。
バランス・・・。
お買い得は癒し系アタッカーなんだろうか。とりあえずヒーラー重視なイメージで描きましょうかね。
皆猫が好きで嬉しすぎるよモッフモフ