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浮島

 

種別:空に浮いてる島
位置:6000mほど上空を移動し続けている
規模:人口200人程度
気候:不思議な樹に守られていて常に暖かい
人種:人間(体に羽を模したようなあざがある)

特徴:
島を覆うように巨大な樹が生えており、島民はこの巨木に穴を開け住居を作り、落ち葉やわずかな土で作物を育て、動物を飼う。名もない巨木は島民を風雨から守るだけでなく、果実や水などの恵みを与えてきた。それら樹から与えられたものは例外なく、不思議な力を宿すかのように命あるものを守ってきた。
樹は常に上空に浮かぶ浮島を地上からは見えなくさせる不思議な薄い空気の層を作り出している。だが時に、空を割るような強力な大魔法の余波を浴びると、層が弱くなり数日の間だけわずかに人目に現れる時がある。
浮島は、大陸南部にあるナ・バース山の山頂部だったと言われている。
なぜ島となって空を漂うことになったのか、この時代には誰にも分からない。
ナ・バース山が噴火した際に、樹とわずかな土だけが空に残ってしまったとか、山頂の霊木が、山とケンカして離れていってしまったからだ。などと島民の間には諸説ささやかれている。
島民は樹から与えられた恵みを口にして成長するため、一人一人説明のつかない不思議な力を持っている。
破壊的なものもあれば、近年では、天気が良い日にだけ想い人に言葉を介さず心を伝えられると言った平和なものも多くある。ここ数十年、島の中は平和そのもので争いもない、島民全体の意識によって個人の持つ力は姿を変えるのかもしれない。
地上との交流は、全くないわけではない。地上人が浮島に行くことは非常に困難だが、島民は散歩感覚で地上に降り、そして上がることが出来る。どうやっているのかは島民にも分からず、やはり樹からの恵みが大きく起因していることだと思われる。
島民と地上人は全く同じ姿で、これと言って大きな差はない。島民は髪の色肌の色体格など、容姿には全く統一性がない。そういったことから、浮島住民の起源というものがよりややこしいものとされている。一つの説として、その昔浮島と地上は非常に交流が盛んだったのではないかと言う者もいるが定かではない。
唯一共通していることは、島民は体のどこかに羽を模したようなあざを保有している。鳥に限らず虫のようだったりと様式はさまざまで場所も背中に限らず、顔にあるものまでいる。一対であることが多いようだが、時には片翼であったりとデザインはかなり自由である。


イベント:浮島探し
大陸南部のある町に着くと、門の近くで若い二人組みの女性が一方的なケンカをしていた。
なんだか分からないが、仲裁をしようとするとやけに露出度の高いほうの女が「アンタなんか、地上に置いていってやるんだから」と意味深なことを口走った。
その場をなんとか沈めると、二人は泣きながら抱き合うとお互い謝り続け、最後は手を繋いで町を去っていった。
そのすぐ後、夜の酒場を訪れると初老の男が話しかけてきた。名はクサノとだけ告げると、ある依頼を持ちかけてきた。
男は、幼い頃一度だけ空に浮かぶ島のような影を見たという。以来ずっとその影の正体を追い求め各地の文献を探してきたのだが、やっと島への道を見つけたらしい。そのためには各地の謎めいた遺産の奥地に行かなければならない。クサノ一人で行くにはあまりにも厳しいので、護衛の依頼をまかされることになった。
まずはクサノが調べた一番近いミステリースポットへ訪れると、最深部には何もなかった。拍子抜けした一同がクサノを見やると、彼は小さな植物の芽の前で立ち尽くしていた。
その植物の芽周囲1mほどにある物質がわずかに浮いている。小石を取って胸の高さから落としてみようとすると、その小石はその高さを維持したまま浮いていた。
クサノはその芽を丁寧に掘り起こすと、町まで持ち帰った。
この謎の植物の芽は後4箇所あると言う。ウィンクルムに留まらず隣の大陸にも渡る大変な事柄なので、クサノは気長に続けて欲しいと言った。自分はついていけないが、芽を見つけたら預かる。全部集まったらもう一度改めて依頼をしたい。そう続けると彼は自分の屋敷の庭に植えた芽に水をやっていた。
全部の芽が集まってから、クサノを訪ねた。芽は依然として幼いままだ。
クサノは今度は、ナ・バース山山頂まで全ての芽を持って行くので再び護衛をして欲しい。と依頼をしてきた。
承諾し、山頂まで向かうと、そこには大きなカルデラ湖が広がっていた。クサノは湖のわずかに飛び出した淵に、芽を全て植えた。
その瞬間にはすでに山頂から遠く離れた地まで移動してしまっていた。目の前には枯れた一本の木がある。その先にはひたすら空が広がっていた。
興奮した様子でクサノがあたりを見回す。背後には、怖ろしく巨大な樹が一本、人が住んでいるような穴も開いている。
ここは浮島だった。
 

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